住宅ローンの審査基準とは?元銀行員が教える8つのポイント

住宅ローンの審査では、どのような部分を審査するのでしょうか?

難しいように見えて、実はポイントは多くありません。

今回は元銀行員の筆者が審査のポイントは8つに分けて分かりやすく解説します。

住宅ローン8つの審査基準

まず今回紹介する住宅ローンの審査基準は下記の8つです。

  1. 信用情報
  2. 勤続年数・勤務先
  3. 団信への加入
  4. 年収と借入額・期間
  5. 年齢
  6. 物件担保
  7. 住宅ローン申込者本人の物件
  8. 建築業者の業績

いかがでしょうか?だいたいイメージ通りだと思います。

ただし銀行によって上記すべての審査項目をみているわけでもなく、重要視する項目も違います。

また上記以外にも細かい審査項目があることもあります。

管理人

住宅ローンの審査が通るために8つを理解しましょう

1. 信用情報の照会が審査の第一歩

住宅ローンの審査の際に、もっとも最初に行われるのが信用情報の照会です。具体的な審査に入る前にここで選別を行います。

信用情報とはどんな情報でしょうか?

簡単にいうと、過去のお金のやりとりでトラブルがなかったかを調べます。

そして住宅ローン審査では下記5つをチェックするケースが多いです。

  1. 過去の借入で大きな延滞がないか
  2. 自己破産・債務整理していないか
  3. 借入金を保証会社に立て替えられた代位弁済などの異動情報がなかったか
  4. 現在の借入金と返済状況
  5. 直近6ヶ月程度の住宅ローンへの申込情報

信用情報に①②③が記録されている人をいわゆる「ブラック」といいます。そしてまずブラックの人には融資は行いません。

また消費者金融からの複数の借入がある場合にも、審査通過が難しくなります。

信用情報は、信用情報機関に名前住所、生年月日、電話番号などの個人情報を使用して照会を行います。

住宅ローン審査cic

・CIA
・JICC(日本信用情報機構)
・全国銀行個人信用情報センター

上記はCICのホームページですが個人でも自分の情報を取得して調べれます。もし気になる方は請求してみてはいかがでしょうか。

2. 勤続年数と勤務先で継続して返済できるかが見られる

勤務先と勤続年数は、住宅ローンの審査では重要な項目です。

評価が高い勤務先(職業)の順番
・医師・弁護士など
(高難度国家資格を持つ専門職)

・公務員

・上場企業のサラリーマン

・上場していない企業の会社員

・小規模の会社経営者または自営業者

上記のように、継続的に高い収入が見込める人は審査の評価は高くなります。

そして小規模の会社代表者や自営業者の評価は、最も低くなります。なぜなら事業の継続性や安定性が見込めないためです。会社や事業内容がよくても、開業から3年経過しないと住宅ローンの審査には通過できません。

また勤務年数についてですが、公務員や上場企業の会社員でも勤続年数は1年以上は欲しいです。3年程度勤続していれば問題ありません。

何回も転職をした方は審査にマイナスポイントです。なぜなら今後10年、20年、30年かけて住宅ローン返済は難しいと判断されるからです。

勤続年数はできれば3年以上はほしいところですが、転職直後でも住宅ローンをくみたいあ方は下記の記事を参考にしてください。

転職後でも住宅ローンを借りための3つの方法

3. 団体信用生命保険への加入が可能か

住宅ローン審査の団信
銀行の住宅ローン融資の条件として、団体信用生命保険への加入が必須です。(※以下団信)

団信とは、住宅ローンの借主が返済途中で死亡・高度障害の場合に、保険金で残金を返済するものです。そのため残された家族が住宅ローンを支払う必要がなく、家を失うこともありません。

そして団信には審査があります。

持病がある方は団信の加入ができないこともあります。その審査基準は生命保険会社の判断であるため、ここでは何も言えません。

しかし告知を正直に行わなかった場合、団信の契約が解除され、住宅ローン契約も解除さる可能性もあります。

4. 年収を考慮した借入金額・期間


いくら以上の年収がなければ、審査に通過できない明確な基準はありません。当然高ければ高いほど審査にプラスとなり、低い場合は通りにくいことは変わりありません。

どのような理由かと言えば、「返済比率」という考え方からです。

返済比率とは、年収の何%を返済にあてるのかということ。年収が多ければ多いほど、許容される返済比率は高くなります。

(例)
■Aさん
・年収:1,000万円
・返済比率:40%
・返済金額:400万円(33万/月)
・生活に使えるお金:600万

■Bさん
・年収:300万円
・返済比率:40%
・返済金額:120万円(8.5万/月)
・生活に使えるお金:180万

Aさんは400万円が返済に回っても、残り600万円は生活に使えますが、Bさんは180万円です。Bさんも返済比率が40%だと余裕があるとはいえません。

すると銀行も30%程なら大丈夫かと審査します。

住宅ローンは借りれるかどうかだけではなく、年収と返済の比率がポイントになります。もちろん頭金などを用意できれば住宅ローンの金額に影響を及ぼすのが年収です。

5. 継続して返済可能な年齢かどうか

年齢は若すぎず、上すぎずが有利です。20代後半から40代前半くらいまでが審査にはプラスになります。

20代前半だと今の仕事を辞めてしまう可能性があります。また最近では離婚が多いのもこの年代です。そのため若すぎても審査にはプラスにはなりません。

反対に年齢が上すぎても審査にはプラスにはなりません。

銀行によって異なりますが、住宅ローンには完済時年齢が何歳までと決められていて、75歳くらいまでのケースが多いです。

しかし銀行は75歳までのローンを組むのは抵抗があります。

ローンを組む際に審査の材料となる所得は今の所得です。しかし、75歳まで今の所得が続いていることは考えられないため、できれば60歳の退職までには完済するという計画でローンを組むことが望ましい借り方です。

高齢での借入の場合は完済時の年齢が上になってしまうことが多いため、審査にプラスには働きません。そのような場合は退職金にて一括返済という条件が付くこともあるようです。

6. 建築業者の業績も審査のポイント

住宅を建てている最中に建築業者が倒産してしまった。もう全額ローンを組んで業者にお金を振り込んでしまったのにどうしよう。などということも稀にあるのが、住宅ローンの怖いところです。

お金を全額振り込んでから業者が倒産してしまったら、多くの場合は泣き寝入りになってしまいます。誰も保証はしてくれません。業者の選定は慎重に行わなけれないけません。あまりにも怪しい業者の場合には、銀行も住宅ローンを断る場合もあります。

また反対に優良業者や物権が長期優良住宅などの場合は、保証料や金利の優遇が受けられることもあります。このようなキャンペーンは銀行によって大きく異なりますので、詳しくは銀行に問い合わせてください。

また、融資の方法も一括で融資するのではなく、

①土地を購入した時
②建て前が終わった時
③屋根が上がって完成した時

など、3回に分けてお金を払うのが一般的です。

業者に関しては銀行でも審査はしますが、自分でも注意して選定しましょう。また、審査の際も業者についてあまりにも業績が悪い建築業者の場合は審査そのものを断れてしまうこともあります。

7. 住宅ローン申込者本人の物件である

住宅ローンの購入対象の物件は、原則として申込人本人の物件である必要があります。夫婦などの共有名義とする場合は妻も連帯債務者となるか、連帯保証人になるのが一般的です。

ペアローン・連帯債務・連帯保証の3つの違いをわかりやすく解説

ローンというのは債務です。

資産状況をマイナスにして同程度の価値の住宅を購入するため、プラスママイナスが相殺されます。そのため所得が発生するわけではありません。

しかし他人名義の物件を本人名義のローンで購入した場合、物件の名義人は何の対価も払わずに資産を得たことになります。これは贈与です。

また、住宅ローンは自分が居住する大切な家だからこそ、家を取られないために真剣にローンの返済していくものです。これが自分が住んでいなければ、返済が辛くなれば「家を取られてもいいや」という気持ちが働き、返済を投げ出してしまうことも十分考えられます。

そのため、住宅ローンは申込者本人の物件であることはもちろん、申込者本人がそこに居住していることが条件となります。

8. 融資額が担保評価額の範囲内

住宅ローンの融資限度額は、原則的に担保価格の範囲内です。新築の場合は、建物の評価額は建物の建築価格と同じになることが一般的です。そのため、新築の場合は担保価格は通常あまり気にする必要はありません。

問題は中古物件を購入する場合です。

木造建築の耐用年数は通常20年程度のため、20年したら建物の価格は10分の1しか残らないということせす。

つまり築20年の土地付き建物を2,000万円で購入しようとする場合、担保価格の大部分は土地の値段しか評価額としては出てこないことになります。

このような場合は、担保価格の範囲内で融資を受けることは難しくなります。担保価格が融資金額に満たない場合は、金利を多く払ったり、超過保証料というものを払って対処することが多くなります。

まとめ

住宅ローンの審査は、金額が高額、返済期間が長期、担保を取るため他のローン審査とは異なります。

信用情報を入り口として審査を行い、高額の返済が可能かを年収などで判断します。長期的に返済が可能かどうかを、勤務先や勤続年数で判断します。

また担保については借入金額以上の価値があるか、法律に則った物権か、担保として処分した際に価値があるかなどを審査します。すべての面で返済に問題がないと判断されたら融資を受けられます。

年収や返済期間などは「いくらまで借入が可能か」を判断する材料です。融資していい人かどうかは、信用情報から判断します。信用情報は過去のローンやクレジットカードの返済実績の積み重ねですので、ローンを借りる時に急に改善はできません。

結婚して家を建てたいという時に融資が受けられないということがないように、日々の支払いは遅れなく行いましょう。