ペアローンとは?共働き夫婦が知りたい7つのポイント

今や共働きが当たり前の時代です。共働きであればローンの名義も共有で、物件の名義も共有でということもあたり前の時代です。ペアローンは夫婦平等でローンに責任があるという点ではメリットがありますが、いくつか注意すべき点もあります。今回はペアローンについて徹底解説を行います。

ペアローンとは夫婦共有名義のローン

ペアローンとは夫婦別々の名義でそれぞれローンを組む商品です。共働き世帯の場合、夫婦の収入を合算して住宅ローンの返済を行っているケースも珍しくありません。今まではそのような場合でもたいてい夫名義のローンで購入物件の名義も夫名義になっていましたが、ペアローンは夫婦それぞれでローンの名義も物件の持ち分の名義も按分することができます。

持ち分の割合を夫婦でどうするかは夫婦で決めることができ、半分半分でも、夫60%妻40%でも問題ありません。この割合と同じ割合で団体信用生命保険の割合も決めることができますし、住宅取得控除も夫婦の割合に応じたローン残高によって、所得税や住民税から控除することができます。

たとえばペアローンで3,000万円の住宅ローンを組んで夫2,000万円、妻1,000万円の割合にしたとすると、物件の持ち分は夫3分の2、妻3分の1になり、団体信用生命保険も夫3分の2、妻3分の1となり、住宅取得控除は毎年、夫と妻にそれぞれの持ち分の応じた住宅ローン残高証明書が夫と妻に送付されますので、夫婦それぞれで年末調整を行うことになります。(初年度は確定申告)

住宅購入資金の借入できる金額が増える

住宅ローンの借入限度額は借主の年収の5倍程度までと相場が決まっています。例えば、夫単独で住宅ローンを組んだ際に夫の年収が600万円だとすると借入限度額は600万円×5で3,000万円が限度であると言われています。

しかしながらペアローンにすると夫婦の年収を合算することができます。夫が年収600万円で妻が年収400万円の場合は夫婦合計での年収は1,000万円となり、借入限度額は1,000万円×5で5,000万円まで増えることになります。このようにペアローンにすると夫婦の年収が合算されるため借入できる金額が増えることになります。

もちろん住宅ローン控除を活用できる

住宅ローン控除とは住宅ローンの残高の1%を10年間所得税から控除することができるという制度です。例えば住宅ローンの残高が4,000万円であれば1%である40万円控除することが出来ますが、40万円も税金を納めていない場合には翌年住民税からの還付を受けることが出来ます。

しかしそれでも40万円に満たない場合には、控除しきれずに控除は消えてしまいます。夫の単独名義でローンを組んでいると、夫の支払っている所得税や住民税だけでは住宅ローン残高の1%に満たず、控除を無駄にしてしまうことも少なくありません。

しかし、ペアローンにすれば、夫婦それぞれの持ち分に応じた住宅ローン残高の1%を控除することができます。夫2,000万円、妻2,000万円の持ち分でペアローンを組んだ時には夫と妻それぞれで、20万円ずつの控除を行います。夫1人で40万円の控除を使い切ることはできないとしても夫婦別々で20万円ずつの控除であれば使い切ることができる可能性も高くなります。住宅ローンを組む際でペアローンを検討しているご夫婦は昨年の源泉徴収票を見て支払った所得税の金額を確認してから借りた方がよいでしょう。

若いうちから借入する事ができる

ペアローンは前述したように、夫婦の年収を合算することができます。夫婦の年収を合算することができるため、若く、収入があまりない状態では通常住宅ローンを借りることはできませんが、お互いが250万円程度しか年収がないような状態でも夫婦合わせて500万円の年収となるため、住宅ローンを借りることができる可能性がグンと高くなります。ペアローンは若くて収入的にもまだまだこれからの夫婦でも、お金を借りることができるため、早くから住宅ローンを借りて退職前には悠遊に返済するということが可能になります。

夫婦それぞれで団信に加入できます

ペアローンのもう1つの特徴として夫婦それぞれで団体信用生命保険に加入できるという点です。3,000万円の住宅ローンをペアローンで夫2,000万円、妻1,000万円で組んだ場合、団体信用生命保険は夫3分の2、妻3分の1の割合で組加入することになります。これは住宅ローン返済中に例えば夫が亡くなった場合には残高の3分の2が保険で返済され、妻が亡くなった時には残高の3分の1が保険で返済されるというものです。

これはペアローンのメリットというよりも注意点であると言ったほうがよいかもしれません。夫が単独で住宅ローンを組んだ場合には団体信用生命保険は100%夫にかけられるため、返済の途中で夫にもしものことがあったら、住宅ローン残高は団体信用生命保険でゼロとなります。ペアローンの場合には亡くなった人の持ち分は保険金で返済されるものの、必ず残った方の持ち分は住宅ローンとして残るため、注意しなければなりません。

ペアローンの注意点は手間や費用が多くなる事

ペアローンは夫も妻も同じく借主ですので、契約にかかる手間が2倍になります。夫単独であれば、契約書に記入するのも夫だけ、印鑑証明も住民票なども夫だけですが、ペアローンの場合には印鑑証明などは妻の分も取得しなければなりません。また源泉徴収票や健康保険証の提出なども夫の分に加えて妻の分も必要になります。

保証料などはおおきな変化はありませんが、住宅ローンに必要な証明書類に加え、膨大な枚数に契約書類は単純に2倍になり時間的な手間は大きくなってしまいます。ペアローンの場合は借入本数が2本となっているため金銭消費貸借契約書に貼付する収入印紙代が2倍かかってしまいます。3,000万円の住宅ローンを組む際には20,000円の印紙を1枚張ればよいですが、1,000万円と2,000万円に分ける場合には20,00円が2枚必要となります。

ペアローンと連帯債務と連帯保証の違いとは

ペアローンと連帯債務の違い

連帯債務とペアローンの違いは、ペアローンは夫婦それぞれのローンの本数が分かれているため、夫と妻が別々の住宅ローンをそれぞれ1本ずつ組むことになります。一方連帯債務は1本の住宅ローンに借主が2人存在します。1本の住宅ローンであるため団体信用生命保険の加入割合を夫だけにすることもできますし、妻と夫で按分することも可能です。連帯債務の方が柔軟性があるとはいえるでしょう。

ペアローンと連帯保証の違い

連帯保証とはあくまでも保証人です。お金は借主が返済するのが原則ですが、返済が滞ると債権者(銀行などのお金を貸している側)は連帯保証人に請求する権利を有します。連帯保証人は借主を全く同じ義務を負っていますので「借主は自分じゃないんだから先に借主に請求してくれ」などと言うことはできず、請求されたら返済の義務を負ってしまいます。ただ銀行はいきなり連帯保証人に請求するようなことは通常しないため、あくまでももしものことがあった時に借主に代わって返済義務を負う人程度のイメージでしょう。

まとめ

ペアローンは男女が共働きである現代においては、住宅ローンもそれぞれの名義で借りて夫婦の自立を象徴するものです。ペアローンは住宅ローン減税を最大限に利用することができるなどのメリットがありますが、2本に分かれているため借り換えを行うことが非常に難しいこと、団体信用生命保険が適用されても残高がゼロにはならないなどのデメリットもまだまだ多い商品でもあります。借入を検討されているご夫婦はメリットとデメリットをよく理解してペアローンを選択しましょう。