借地権割合とは?借地権を評価する際に知るべき5つのポイント

『借地権割合とは、借地権の価格を決める割合です。』

こんな説明されても、理解できたのかわからない微妙な感じがしませんか?

私はよくわかりません(笑)

だからいろいろと調べてやっと理解できました。しかし皆さんにはそこまで苦労してほしくありません。

そこで本記事では、できる限りわかりやす借地権割合について説明していきます!

借地権割合とは

借地権と底地権で土地の所有権

借地権割合の前に、借地権の概要から説明していきます。

まず借地権が設定された土地は2つの権利があります。

・底地権→地主の権利
・借地権→借地人の権利

2つの権利は、もちろん売却可能です。でもここで問題が1つあります?

価格はいくらにすればいいのか?

通常の土地(所有権)であれば、シンプルに相場を参考に決めれます。しかし借地権と底地権がある土地は、それぞれの価格を決める必要があります。

例えばA地域のある土地が、所有権なら5,000万円の価格です。しかし借地権が設定されているので、借地権の価格はいくらでしょうか。

ここで借地権割合の出番です。調べると借地権割合が60%ということがわかりました。

その結果、

・借地権:3,000万円(60%)
・底地権:2,000万円(40%)

となります。

このように借地権の価格を算出するために使われる、割合(数字)が借地権割合なのです。

借地権の価格を算出する必要があるケースは、売却と相続の2つです。

また借地権には地上権と賃借権の2種類あります。

借地権割合はどのように決まるのか

借地権割合について説明しましたが、この割合はどのように決まるのでしょうか。

結論は国税局がきめています。

借地権割合・路線価

こちらの画像は東京都渋谷区恵比寿の路線価図です。路線価図の上部の赤枠部分に借地権割合が記載されています。

90%〜30%まで、10%きざみで7段階に分かれたAからGまでの記号ですね。

そして実際の土地の箇所に、該当するアルファベットが記載されています。上記の赤線部分だと、Cため借地権割合が70%となります。

ちなみに全国の路線価図は国税局のHPから確認できます。

一般的には、地価の高い地域ほど借地権割合も高くなり、都市部の住宅地では60〜70%、繁華な商業地では80~90%程度になることが多くなっています。

なお、借地権割合はあくまで相続税課税のために決められている指標です。そのため借地権を売却する際には、現在の相場なども考慮した価格が算定されます。

借地権の価格の計算方法

1番最初でも説明したのですが、借地権の価格計算についてみていきます。

計算式は下記です。

路線価×借地権割合=借地権価格

たとえば、

・路線価:1,000万円
・借地権割合:60%

1,000万円 × 60% = 600万円

というふうに算出できるわけです。

注意して頂きたいのは、路線価は地価公示価格の80%程度の評価額となっています。したがって、時価よりも低額の価額になることが多いです。

売買時は借地権割合は利用されていない

実際に借地権を売買する価格は,借地権割合で算出した価格とは異なるのがほとんど通常です。

なぜなら借地権割合は,あくまで相続税課税のために決められた指標だからです。

また他にも下記のような理由も関係しています。

・建物の種類・用途が考慮されない
・存続期間が考慮されていない
・地主への承諾済みかどうか判断がいる

具体的な事情を考慮しないため、相場の時価と乖離があるということですね。

底地割合とは

底地割合とは、借地権が設定された土地における、敷地の価値が占める割合のことを言います。いわば借地権割合と逆の概念と言うことができ、ここで言う「底地」とは、土地から借地権の負担を差し引いた部分とでも言うことになります。

例えば、借地権が設定された土地の評価額が1000万円、借地権割合が60%の土地の場合には、底地割合は40%であり、底地の評価額は400万円であるということになるわけです。

なお、底地権という言葉が使われることがありますが、底地権という権利が実際に法律上存在するわけではありません。底地権とは、借地権を設定した土地の地主が持つ土地の所有権を言うことになりますが、それは法律的には所有権という権利になります。ただ、借地権を設定した土地を地主が第三者や借地権者に売却する場合には、売買代金はこの底地の評価額ということになりますので、この売買を指して「底地権の売買」という表現をすることがあります。

5借家権割合との違いは?

借家権割合とは、家屋に賃借権(借家権)を設定している場合における、家屋の評価額に占める借家権の割合のことを言います。

したがって、借地権割合とは、その対象が土地に対するものであるか、あるいは家屋に対するものであるかという点で違いがあることになります。

この借家権割合は、貸家や貸家付の土地が遺産である場合の相続税の算定に利用されるもので、その目的とするところは借地権割合と同様ですが、借家権割合は、国税庁の財産評価基本通達によって30%と一律に決められており、場所によって割合が変わってくる借地権割合とはこの点でも違いがあります。

例えば、300万円の評価額の建物を貸した場合には、その借家権の評価額は90万円ということになります。

また、建物には路線価はありませんので、借家権割合を利用した場合の建物の評価額は固定資産税評価額によることになります。この点でも、路線価による評価額を基にする借地権割合とは異なっています。

まとめ

借地権割合を利用して借地権価格を算出することは、大変簡単にできます。

土地の路線価、借地権割合のいずれもインターネット上で簡単に調べることができますし、借地権価格を算出する際の計算式も非常に単純です。したがって、借地権のおおよその評価額を知るには大変便利な指標であるということができます。

しかし、大変便利なものである反面、借地権割合はもともとの目的が相続税の算出にありますので、取引にそのまま利用するには無理があります。

実際の取引における評価額は、借地権割合から単純に算出できるものではなく、借地の具体的な状況や取引目的によって様々な修正を加える必要があります。したがって、借地権割合を利用して算出された借地権価格は、あくまで参考程度に考えておく必要があります。

これは底地割合についても同様のことが言えます。底地割合を利用しての底地評価額の算出は借地権割合を利用するのとほぼ同じで簡単ですが、実際には様々な修正を経なければ取引には利用できません。

ただ、借地権割合や底地割合は、それぞれの評価額の目安を知るには便利なものですから、その限度で大いに利用したいものです。