土地の名義変更の全手順!相続・贈与・売買・離婚別に徹底解説

『土地の名義変更ってどうやるの?』

人生で1回1度あるかどうかのため、司法書士さんなど専門家にまかせるの人がほとんどです。

しかし『おおまかな手順は知っていおきたい。』『自分で対応したい』という方もいらっしゃると思います。

そんな人のために、ケース別でわかりやすく手順を説明していきますね。

土地の名義変更とは

土地の名義変更手続きとは、土地の所有権がAさんからBさんに移転した内容を、法務局で登記簿に書き換える行為です。

専門用語では、土地の所有権移転登記と言われいます。

所有権は売買契約時点で移転します。そのため名義変更の目的は、第三者に対して対抗力をつけるためです。

あとは公開することで、透明性を確保する目的もあります。

対抗力とは

対抗力とは、第三者に対してこの土地は自分が所有していると主張できる権利です。もちろん法律的に効力があります。

でもなぜ自分に所有権があるのに、登記しなければ第三者に主張できないのでしょうか?

これは実はある特定のケースを想定しています。

土地の名義変更をしないリスク

特定のケースとは、土地の二重譲渡です。

たとえばAさんから、Bさんが土地を購入します。所有権はBさんですが、名義変更はしていませんでした。

その後Aさんが、Cさんに土地を売却しました。

管理人

Aさんは悪いやつですね。。そしてCさんはBさんに既に売却していたことを知りません。

Cさんは売買契約後に名義変更を行いました。

このような場合では、法律では土地がCさんのものになります。Aさんは名義変更を行っていないために、とんでもない事態に遭遇します。

このような事態を防ぐために、名義変更をし、対抗力をつけるのです。

ただ現実問題としては、名義変更をするのが常識ですし、土地の売買前などは登記簿謄本などで所有者など確認するので、このようなトラブルはまずありません。

ただ名義変更をしないと、こういったリスクがあることは覚えておきましょう。

ちなみに法律上では、所有権が移転後に名義変更手続きをしなくても問題はありません。

 

名義変更手続きは所有権の移転理由によって異なる

土地の名義変更を行う理由のほとんどが下記4つのいずれかです。

①売買
②贈与
③相続
④離婚

ポイントは名義変更手続きの必要書類と費用は、所有権の移転理由で異なることです。

名義変更の流れは、それぞれの理由に合わせた書類を準備。そして登記申請書を添えて土地を管轄している法務局に申請を行います。

書類に不備がなければ、申請後1~2週間で名義変更手続きが完了です。

それでは所有権の移転理由によって異なる、名義変更手続きの必要書類と費用について見ていきましょう。

また下記の記事ではマンションの名義変更について記載しています。

【離婚・相続・売却・贈与】マンション名義変更の流れとポイント

売買による土地の名義変更

売買によって所有権が移転した場合にも名義変更手続きが必要になります。売買の場合の名義変更手続きに必要な書類は以下の通りです。

売買における
必要書類
売り主 買い主
登記済権利証
印鑑証明書
(発行から3ヶ月以内)
固定資産評価証明書
住民票
売買契約書

売買による名義変更手続きは、売買が成立したという証拠がない場合は行うことができません。

そのため、売買したことを証明する書類の提出が必須になるため、他の書類と合わせて土地を管轄している法務局に申請します。

贈与による土地の名義変更

所有者が亡くなる前に、あらかじめ自身の所有物を誰かに贈与することによって所有権が移転した場合にも名義変更手続きが必要になります。贈与の場合の名義変更手続きに必要な書類は以下の通りです。

贈与における
必要書類
贈与者 受贈者 その他
登記済権利証
印鑑証明書
(発行から3ヶ月以内)
固定資産評価証明書
住民票

贈与者と受贈者の間における「あげます・もらいます」という双方の合意がない場合には、贈与は成立しません。

そのため双方の合意を証明する贈与契約書の提出が必須になるため、他の書類と合わせて土地を管轄している法務局に申請します。

相続による土地の名義変更

土地の元の所有者が亡くなった場合には相続によって所有権が移転するため、名義変更手続きが必要になります。相続の場合の名義変更手続きは、財産を相続する方法によって以下の3つのケースに分けることができます。

・法定相続による相続
・遺産分割による相続
・遺言書による相続

それぞれのケースにおける名義変更手続きについて見ていきましょう。

法定相続による相続の場合

法定相続とは、法定相続人(配偶者や子供、親など)があらかじめ民法で定められている割合(法定相続分)に応じて財産を相続する方法です。

例えば、配偶者と子供がいる場合には相続の半分を配偶者、残りの半分を子供が分けるという形で相続します。法定相続による相続の場合の名義変更手続きに必要な書類は以下の通りです。

遺産分割相続における
必要書類
被相続人
(亡くなった人)
相続人
(法定相続人)
土地に関する書類
除籍謄本
(死亡証明の戸籍謄本)
住民票の除票
戸籍謄本
(被相続人死亡後に発行)
印鑑証明書
(発行から3ヶ月以内)
住民票
(本籍地記載有り)
登記済権利証
(または登記簿謄本)
固定資産税評価証明書
(または固定資産税
の納税通知書)

※スマホは右にスクロールできます

これらの書類を準備した上で、土地を管轄している法務局に登記申請書を添えて、名義変更手続きの申請を行います。

遺産分割による相続の場合

遺産分割とは、法定相続分とは異なった割合で財産を相続する方法です。

しかし相続人の一人が勝手に相続の割合を変えると、法定相続分を受け取るはずだった他の相続人が不満を抱いてしまいます。そこで登場するのが遺産分割協議書です。

遺産分割協議書とは、法定相続分とは異なった割合で遺産相続する場合に提出する書類です。この書類によってきちんと話し合いに基づいて遺産分割の割合を決定したかどうか証明されます。

遺産分割協議書の主な記載事項は以下の通りです。

遺産分割協議書の記載事項
・被相続人
氏名、本籍、死亡年月日

 

・相続人(全員分)
氏名、住所、相続人との続柄

 

・土地に関する事項
所在地、広さ、分割方法(割合)

遺産分割協議書にはこれらの情報を記載し、署名・捺印を行ったものを相続人全員分作成して各自保管します。遺産分割による相続の場合の名義変更手続きに必要な書類は以下の通りです。

遺産分割相続における
必要書類
被相続人
(亡くなった人)
相続人
(法定相続人)
土地に関する書類
除籍謄本
(死亡証明の戸籍謄本)
住民票の除票
戸籍謄本
(被相続人死亡後に発行)
印鑑証明書
(発行から3ヶ月以内)
遺産分割協議書
登記済権利証
(または登記簿謄本)
固定資産税評価証明書
(または固定資産税
の納税通知書)

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遺産分割協議書以外は法定相続の際に準備する書類と同じです。これらの書類を準備した上で、土地を管轄している法務局に登記申請書を添えて、名義変更手続きの申請を行います。

遺言書による相続の場合

遺言書とは、被相続人が自身の亡くなる前に相続人や相続割合に対して意思表示している書類で、その遺言書の内容に従って財産を相続する方法です。

公正役場で作成した公正証書遺言であれば名義変更手続きにそのまま使用できますが、公正証書遺言でない場合には家庭裁判所において遺言書の内容が正しいかどうか検認しなければなりません。遺言書による相続の場合の名義変更手続きに必要な書類は以下の通りです。

遺産分割相続における
必要書類
被相続人
(亡くなった人)
相続人
(法定相続人)
土地に関する書類
除籍謄本
(死亡証明の戸籍謄本)
住民票の除票
戸籍謄本
(被相続人死亡後に発行)
印鑑証明書
(発行から3ヶ月以内)
住民票
(本籍地記載有り)
遺言書
登記済権利証
(または登記簿謄本)
固定資産税評価証明書
(または固定資産税
の納税通知書)

※スマホは右にスクロールできます

公正証書遺言または検認された遺言書以外は法定相続の際に準備する書類と同じです。

これらの書類を準備した上で、土地を管轄している法務局に登記申請書を添えて、名義変更手続きの申請を行います。

離婚による土地の名義変更

離婚の財産分与で所有権が移転した場合にも名義変更手続きが必要になります。離婚の場合の名義変更手続きに必要な書類は以下の通りです。

財産分与における
必要書類
現在の名義人 新しい名義人 その他
登記済権利証
印鑑証明書
(発行から3ヶ月以内)
固定資産評価証明書
住民票
財産分与による
所有権移転登記申請書
戸籍謄本
(離婚を証明する書類)

離婚による名義変更手続きは、離婚したという証拠がない場合は行うことができません。

そのため離婚を証明する書類や財産分与の内容を記載した書類の提出が必須になるため、他の書類と合わせて土地を管轄している法務局に申請します。

所有権移転理由別の登録免許税比較

登録免許税とは、法務局で登記申請を行う場合に必要な国税で、登記申請書に収入印紙を貼付して納めますが、名義変更の発生原因によって税率が異なります。名義変更発生原因別は以下の通りです。

土地の所有権移転の税額 税率
売買 2% (※)
相続 0.4%
贈与 2%

※売買の場合は、土地については平成31年3月31日まで1.5%の軽減税率が適用されています。

離婚によって土地の名義を変更する場合には、贈与の場合と同様の固定資産税評価額の1000分の20(2%)の登録免許税が課税されます。

手間と時間さえかければ自分でも申請できる

土地の名義変更手続きを自分で行うには様々な必要書類を準備してから法務局に申請を行います。必要書類を手に入れるためには役所に行かなければならないほか、法務局は平日しか受け付けていないなど、利便性が悪いため、手間と時間を要してしまいます。

司法書士に名義変更手続きを代理で行ってもらうことによって時間と時間を省くことができますが、司法書士に5万円程度の報酬(自由設定であるため司法書士によって報酬は異なる)が発生してしまいます。

名義変更手続きにかかる手間や時間を省くことを優先するのか、司法書士に依頼することによるコストを抑えることを優先するかは人それぞれです。どちらを優先するかを事前に決めてから名義変更手続きを行うようにしましょう。